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個展「THE LIGHT」

小柳優衣 最新作発表「THE LIGHT」

 

  

 

会期:2019年2月2日(土)~3月31日(日)
無事に会期終了いたしました。
遠方より足を運んでご高覧くださった方もおられ、あらためて人とのご縁に感謝する展覧会となりました。
作品をご所蔵くださった皆様、たくさんの心強い応援を本当にありがとうございます。

今回メインとなった新作は太陽と月のペア作品「THE LIGHT」です。

「THE SUN」


太陽から放出される力強い熱量を、生命の息吹とともに描いた作品。
はじまりは太陽が照らすゆらぎ。その恵みを享受する大地、咲き誇る花々。樹木はうねり上がり、幹の内側からは宝石のように輝くエネルギーが溢れ出ます。この樹木にはところどころ洞(うろ)ができています。洞は樹木の朽ちた部分ですが、そこに別の生き物が雨宿りしたり、住みついたりと、次世代の居場所を象徴するモチーフです。
作中の蝶たちは、前作「錆色の森」の主題として登場した六枚翅の子孫かもしれません。苦難を乗り越えた六枚翅の「こどもたちに同じ思いはさせない」という母なる思いが温かく包み込む世界で、自分らしい姿のまま飛び舞っているのです。
レリーフ調の縁取りには新芽や花などの芽吹きを刻み、あらんばかりのエネルギーを表現しています。

心地よい日差しを一身に浴び、沸き起こる原動力を感じていただければ幸いです。


 

「THE MOON」


月が自ら受けた光を優しく照り返す様を、母なる海とともに描いた作品。
月の光は静やかに海に差し込み、役目を終えて朽ちた古い貝殻にも平等に降り注ぎます。豊かな珊瑚のあいまを煌めき舞う魚たち。古の貝殻は、かつての宿主が朽ちてなお魚たちの拠り所として在り続けています。そうしてまた時は過ぎ、命の営みは繰り返され、螺旋状の記憶が紡がれていくのです。そんな営みの移り変わりを見届けるものとして、マンタが泰然と通り過ぎます。
レリーフ調の縁取りには貝殻や化石などかつて生きていたものの形跡を刻み、命の連続性を表現しています。
穏やかな時の流れに包まれながら、受け継がれる思いと心許せる居場所を感じていただければ幸いです。


会場では、作品について違う視点からご意見をいただくなどし、ストーリー面での考えが深まりました。
いま自分が学ぶべきこと、描きたいもの、内から湧いてくるもの…
次作への創作意欲が刺激されました。
引き続き精進して参りたいと思います。
 
次の個展が5月にありますので、近日中にご案内いたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。